穀類
●田人町荷路夫地区
古くは、全国の山間部で蕎麦が栽培されていましたが、明治時代 より、次第に栽培地が少なくなったといわれています。
田人町荷路夫地区で栽培されている蕎麦の記録も古く、明治元
(1868)年には田人町の旅人地区で既に栽培していた種を、自家 採種により代々受け継いできたものです。
一般的には、蕎麦は五穀(米・麦・粟・豆・黍)の中には入らず 雑穀とされていますが、米の収穫が困難な地域などでは五穀の一つ とされていた例もみられ、田人地区でも荷路夫や旅人は標高300m ほどの高地で寒冷地であることから、昔から米とともに蕎麦の栽培 も盛んであったと思われます。
蕎 麦
主な産地
生産の歴史的由来
茎の根元付近は赤く、背丈は 1m もの高さになる
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蕎麦の実の大きさは3~5mm と不揃いで、色は淡 茶や濃茶色です。現在、一般に栽培されている品種よ り背丈が高く1m以上にも育つので、風に弱く病気に なりやすいことから、栽培年の気候により収穫量が左 右されます。
栽培地区では昔から「蕎麦は乾燥させるほど美味い」
といわれており、収穫から1年ほど置いた蕎麦も碾(ひ)いて粉にし ています。現在でも、主な調理法として手打ち蕎麦にして食していま すが、昔は蕎麦粉をお湯でさっと湯がいて蕎麦掻(そばがき)を作り、 甘いもの、辛いものなど好みの味付けに仕上げて、素朴なおやつと して食されてきました。
昔から各家庭の手打ち蕎麦は、蕎麦粉100%使用のつなぎがない
「十割」です。長年の勘で蕎麦粉も水も目分量で、耳たぶほどの硬さ にこね上げます。一般的にこねる際は、蕎麦粉のでんぷん質を引き 出すため熱湯を加えますが、この蕎麦粉には粘り気があるので、ぬるま 湯でも比較的楽にこねることができるといいます。切り幅が2mm
(一般的に1. 5mm ほど)と少し太めで、芳醇な蕎麦の香りを楽し むことができます。
特 徴
蕎麦は、水はけの良い場所を選びます。茎の背丈を高く育てると、 風で倒れて病気になりやすいことから、堆肥のみを使用するか、カリ や過リン酸など背があまり伸びにくい肥料を使用します。
一般的には種を蒔いてから収穫するまでの期間は「蕎麦75日」と もいわれていますが、田人町荷路夫地区では代々「お彼岸の40日前 ははずれない」と言い継がれており、種を蒔く時期は、秋彼岸より 40日前の8月16日頃で、畑にばら蒔きをします。4日目あたりで 発芽し、1か月ほどで白い小さな花を付けます。
収穫時期は、種蒔きから2か月余り経過した、10月20日前後と なります。目安としては、1本の茎になっている実のうち、3粒ほど 黒くなった頃です。茎にある養分を実にしっかり吸収させるため、早 く刈り取ります。刈り取った後は畑に島立てして、晴れ続きなら10 日ほど、途中雨が降れば2週間ほど天日に干し、シートの上で杉の枝 を使って実を叩き脱穀します。
脱穀した実は、唐箕(とうみ)で枯れ葉や枯れ茎、ゴミなどを選別 した後、3~4回水洗いして沈んだ石などを取り除き、3日ほど天日 に干します。昔から「よく乾いたものの方が碾(ひ)きやすく美味しい」 といわれており、十分に乾燥させることが重要です。
収穫した蕎麦は紙製の袋に入れ ( ビニール袋は不可 )、納屋もしくは 室内の涼しい場所で保管します。
代表的な栽培方法
茎 1 本に 3 粒の実が黒くなった頃が刈り取 り時期
杉の棒で叩いて脱穀
刈り取り後は、島立てで天日に干す 蕎麦畑(開花中)の様子
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手 打 ち 蕎 麦
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在来作物と伝統・食・文化
① 熱湯に蕎麦粉を振るい入れる
② 素早くかき混ぜながら、もっちり するまで練り込む
③ ②を器に盛り、はちみつをかける
蕎麦掻のはちみつかけ
作り方
●蕎麦粉 100g ●熱湯 100cc
●はちみつ 30cc 材 料
ザルに取り素早く水をかけ、冷水で洗 い、しっかりヌメリをとる
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切れないようにほぐしながら、沸騰し た鍋に入れる
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切った蕎麦から打ち粉を落とす
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蕎麦粉にぬるま湯を回し入れて、 だまがなくなるまで手早く混ぜる
1 ひとつにまとまったら表面がなめら
かになるまでこねる。手のひらで 30cmほどまで丸く伸ばす
2 のし棒で均等の厚さになるように薄
く伸ばす
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2mmの太さで均等に切る
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蕎麦が切れないように1〜2回程度 かき混ぜて1分ほど茹でる
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のしあがった生地に打ち粉をたっぷ りふった後、横に半分に折り、さらに 縦に4つ折りにする
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●蕎麦粉 1kg ●ぬるま湯 400cc ●水 100cc 程度 材 料(10 人前)
こね作業で重要なのが、蕎麦粉の乾燥具合により加水していくことです。一気にまとめようとせずに、硬さを調節しな がらぬるま湯を含ませていきます。のしの作業で1. 5mm ほどの厚さにまで伸ばしますが、始めは手のひらで伸ばし、 直径60cm 程度まで麺棒で伸ばしていきます。
手打ち蕎麦
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そ ば が き